ふたば内科眼科糖尿病クリニック

 
診療カレンダー
WEB予約
044-888-0077

ふたば内科眼科糖尿病クリニック

コラム - 2020年5月ドライアイ

Dry eye

- Dry eye -ドライアイ

今回は、眼科コラム「ドライアイ」についてお話します。

ドライアイは、涙の異常により、様々な目の不快感をもたらします。
昨今、パソコンやスマートフォン、タブレットを長時間使用する機会も多く、ドライアイをはじめVDT症候群や眼精疲労に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
今回はその中で、「ドライアイ」について取り上げたいと思います。

一般的なドライアイは、失明につながるような重篤な病気ではありませんが、日常生活の質を落とし、悪化すると眼精疲労、肩こりや頭痛などの不調をきたすこともあります。
ドライアイは、完全に治る病気ではありませんが、点眼などの治療を継続することで、快適な生活を維持し、うまく付き合っていくことができる病気です。

ドライアイとは

ドライアイの主な症状

涙の量や質の異常により、目の表面が乾きやすく、目の表面の細胞が障害を受けている状態をいいます。
ドライアイは大きく2つのタイプに分類することができます。
1つは、涙の量が減ってしまう「量の異常」タイプ、もう1つは、涙を保持することができなくて、すぐに乾いてしまう「質の異常」タイプです。

目の表面を潤す涙の働きには、目の表面を乾燥や刺激から守る、ごみを洗い流す、感染から目を守る作用、目に栄養や酸素を補う作用、ピントを合わせる作用、などの大切な役割があります。
そのため、涙の安定性が乱れると様々な症状があらわれます。

主な症状

ドライアイは、目が乾くという症状だけでなく、様々な症状を引き起こします。 「何となく見えづらい」という症状が出ることもあります。

  • 目がゴロゴロする
  • 目が痛い
  • 目が疲れる
  • 目が乾いた感じがする
  • 目が開けていられない
  • 目がしょぼしょぼする
  • 目が赤くなる
  • 朝目が開けにくい
  • 白っぽい目やにが出る
  • かすんで見えにくい
  • 光をまぶしく感じる

主な原因

一般的なドライアイは環境要因が大きいと考えられています。

  • パソコン、スマートフォン、タブレットなどのモニターを長時間見続けることによって、まばたきの回数が減り、涙が乾きやすくなる
  • 冷暖房などの空調により室内が乾燥している
  • コンタクトレンズの長時間装用
  • ストレスにより、涙の分泌が少なくなる。
    涙の分泌は副交感神経(リラックスしたとき)に支配されており、交感神経優位(緊張時)には減少するメカニズムがあります。

さらに夜型の生活、食生活の変化などライフスタイルの関与、また加齢にともなう涙量の減少や安定性の低下なども指摘されています。

その他、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患や服用している薬の副作用が原因の場合もあります。

検査

スリットランプという顕微鏡を使って、目の表面をよく観察します。
フルオレセインという染色液で目の表面を染色し、角膜に傷がないかを調べます。
同時に、涙液の安定性を調べる涙液層破壊時間(BUT)を測定する検査を行います。
BUT検査とは目を開けた状態で、どのくらいの時間で涙が乾いてしまうかを調べる検査です。

治療

点眼治療

薬による対処療法

これまでは、水分を補給し、傷ついた角膜を修復するタイプの目薬が使用されていました。最近では、涙の各成分に直接はたらきかけるタイプの目薬が開発されたことにより、ドライアイ患者さんごとの涙のタイプに応じて、点眼薬を使い分ける治療ができるようになってきました。

また、点眼薬だけでは効果不十分な重症なドライアイの場合は、涙の出口である涙点に蓋をする涙点プラグという治療をすることもあります。

日常生活でできるドライアイ対策

日常生活でできるドライアイ対策

  • パソコンなどを使用する場合には、まばたきを意識的にしたり、一時間に1度程度休憩をとったり、別の作業を組み合わせて体を動かすなどしましょう。また、モニターの位置を少し下げるなどの工夫も大切です。
  • 室内が乾燥しすぎないように、加湿器を使用したり、空調の風が直接当たらないような工夫をしましょう。
  • コンタクトレンズを使用する時間を短縮したり、眼鏡を併用するようにしましょう。痛みがある場合には使用を中止し、放置せずに眼科を受診しましょう。
  • 目が疲れた時には、蒸しタオルなどであたためると効果的です。
  • 市販の点眼薬や洗浄液には、防腐剤や清涼感を与える成分が入っており、目の表面が荒れてかえって症状が悪化することがありますので、使い過ぎには注意しましょう。

ドライアイは、失明するような重篤な疾患ではないため、軽視されがちですが、長期的な治療が必要な疾患です。一度点眼治療で症状が改善しても、治療をやめてしまうとまたつらい症状を繰り返すこともありますし、点眼していてもなかなか良くならないこともあります。
患者さんごとに最適な治療法があると思いますので、眼不快感でお悩みの方は、一度眼科医に相談してみてください。

pagetop